大豆モヤシを使った酢モヤシは高吸収型イソフラボンも補える

酢モヤシのモヤシを大豆モヤシにすれば更年期後の骨量不足や肥満、ほてりを抑える高吸収型イソフラボンも補える。

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女性ホルモンに似たイソフラボン

大豆モヤシは、その名の通り、大豆を発芽させたモヤシです。新芽だけの緑豆モヤシとは違い、大豆モヤシには実の部分も残っており、栄養価の高い大豆の有効成分をまるごと取れます。

まず、大豆の主成分である植物性たんぱく質は、体に必要なアミノ酸(タンパク質の構成成分)がバランスよく含まれています。しかも、肥満や生活習慣病の原因となる、脂質やコレステロールはほとんど含まれていません。

むしろ、大豆に含まれる植物性タンパク質や、配糖体(糖と有機化合物が結びついたもの)のサポニンは、体内の余分なコレステロールを減らす働きをします。ですから、大豆の常食は生活習慣病の予防にも最適なのです。

また、大豆には、肌をきれいにするイソフラボン(植物の色素成分の一種)、腸の働きを活発にするオリゴ糖の他、ビタミン、ミネラル(無機栄養素)、食物繊維も豊富に含まれています。

特に、イソフラボンは中高年女性にとって大変有益な栄養と言えます。イソフラボンが体内に取り込まれると、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするのです。

エストロゲンの分泌量は、40代の後半から急激に減り、それが原因で肥満になったり、体がほてったり、骨量の低下で骨がスカスカになったりします。こうした不調を更年期障害と言います。

イソフラボンは、エストロゲンに似た化学構造を持っています。そのため、イソフラボンを十分に補うと、エストロゲンの不足を抑えられ、更年期後の不調の対策に有効なのです。

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発芽した大豆は他の大豆食品より高栄養

さらに、大豆モヤシに含まれているイソフラボンは高吸収型なので、効率よく補えることも特筆すべきでしょう。

大豆のイソフラボンは、低吸収型の「グルコシド型」(納豆・豆腐などに含まれる型)と、高吸収型の「孫アグリコン型」(モヤシ・味噌などに含まれる型)に大別されます。

このうち、グルコシド型のイソフラボンは配糖体に分類されていて、糖が腸内で分解されてからでないと吸収されません。そのため、消化に時間がかかる上、吸収率は摂取量の2割程度に過ぎないのです。

一方、アグリコン型イソフラボンは、配糖体ではないので、腸で速やかに吸収されます。その吸収率はグルコシド型の3倍以上。つまり、大豆モヤシを適量とるだけで、高吸収型のイソフラボンを豊富に補えるというわけです。

大豆モヤシなら、こうした大豆の有効成分をモヤシと共に一度にとれます。しかも大豆モヤシは、発芽によって種子の中で大きな変化が起こり、通常の大豆や大豆食品と比べ、各栄養素の含有量が増えていると考えられます。

食品メーカーの研究によると、発芽させた大豆では、植物性たんぱく質は豆腐の約3倍、糖質をエネルギーに換えるビタミンB1は大豆水煮の約2倍、降圧作用や肥満防止作用のあるアミノ酸のギャバは納豆の薬16倍も多くなることが分かっています。

大豆モヤシは腹持ちがいいので、主食のご飯を無理なく減らせます。また、茹でた大豆モヤシは、糖質が非常に少なく、カロリーは100gあたり34kcalで、ご飯の5分の1程度です。

このように、高タンパク・低カロリーで、イソフラボンの多い大豆モヤシは、女性のダイエットに最適の食材と言えるでしょう。

なお、大豆モヤシを酢モヤシにする場合、茹で方に注意しましょう。なるべく短時間の加熱がいいのですが、大豆モヤシは実が生煮えだと消化に良くないので、湯の沸騰した鍋に蓋をし、1分ほど蒸し煮にしてください。

茹でた大豆モヤシは、ザルに移して冷水で軽く洗い、余熱を取ります。後は水を切って広口瓶に入れ、モヤシ全体が浸るまで酢を注ぎ、好みで砂糖(目安は酢200ml当たり大さじ3杯)や塩(目安は同小さじ一杯)で味を調え、冷暗所に一晩置くということで酢モヤシを作りましょう。

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