脳は何歳になっても記憶中枢の海馬の脳細胞は常に新生する

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生涯健康脳は何歳からでも実現できる

脳には、衰えたり失われたりした機能を回復させる働きがあります。脳は、一部の神経細胞が障害されても、新しいネットワークを作って、失われた領域を補うことができます。

しかも、記憶の中枢の「海馬」では、死ぬまで神経細胞が新生することが報告されています。ですから、「年のせいで物忘れが頻繁に起こる」「将来、認知症になるのではないかと不安」といった問題や悩みは、実は日々のちょっとした心がけで解決できるはずなのです。

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有酸素運動で海馬の体積が増える

生涯健康脳になるためには、日常生活で気をつけるべき点があります。1つは、運動習慣を持つことです。

運動といっても筋トレのようなハードな運動ではなく、呼吸をしながら体を動かす有酸素運動が大切で、おすすめは「ご近所歩き」です。

ご近所歩きは、歩く時間や距離は問題ではありません。家にこもりきりにならないよう、外に出て楽しみながら歩く習慣を身につけることが目的です。

ご近所歩きをすると、脳の栄養分であるBDNF(脳由来神経栄養因子)が増えて、海馬の神経細胞の新生が促され、働きが活発化します。

米国ピッツバーグ大学で行われた試験では、55~80歳までの健常な現状な男女120人を「有酸素運動を行うグループ」と「有酸素運動以外の運動を行うグループ」に分け、前者には、1日40分の有酸素運動(ウォーキング)を週3回してもらいました。そして、1年間にわたって海馬との関連を調査しました。

その結果、有酸素運動以外の運動を行うグループでは海馬の体積が減っていたのに対して、有酸素運動を行うグループでは体積が増大したのです。

これにより、有酸素運動によってBDNFが作られ、それが海馬の体積を大きくして認知機能を高めることが分かったのです。

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見たい、聞きたい、知りたい気持ちが大切

2つめは、睡眠をしっかりとることです。実は、睡眠時間が短い人は、海馬の神経細胞の新生が鈍って海馬そのものが萎縮しやすいことが分かっています。

例えば、睡眠時無呼吸症候群の人を調べると、有意に海馬の萎縮が認められます。これは、夜中に呼吸が止まることで強制的に何度も目が覚めてしまうため、脳が休息できないせいかと思われます。

また、最近の研究で「睡眠時間が短い高齢者は脳の老化が早い」という結果が発表されました。

具体的には、睡眠時間が1時間短いと、脳の中にできる隙間が1年ごとに0.59%ずつ拡大(萎縮)し、それに比例して認知機能も低下していくことが報告されたのです。

短時間睡眠が海馬を萎縮させるのは、体に大きなストレスとなるからだと考えられます。ストレスは体の様々な部分に悪影響を及ぼしますが、特に海馬はストレスの影響を敏感に受けます。

ストレスを感じると、脳内にコルチコイドというストレスホルモンが分泌されます。これは、ストレスに対抗するために必要な物質なのですが、過剰なストレスが長くかかると、それが海馬に溜まって、かえって海馬を傷つけてしまうのです。

海馬に良い睡眠は、7時間を目安にしましょう。米国立睡眠財団の「一日の適正な睡眠時間の目安」の報告書では、成人(26~64歳)は7~9時間、高齢者(65歳以上)は7~8時間が適正とあります。そこで質の良い眠りを得るために、少なくとも「7時間睡眠」を目指しましょう。

決まった時間に就寝・起床をする、昼寝は30分以内で夕方4時までにするなどを心がけて下さい。

そして、3つ目は「知的好奇心」を持つことです。知的好奇心とは、「見たい、聞きたい、知りたい、やりたい」と言った能動的で前向きな気持ちのことです。

先にも述べたように、過剰なストレスは海馬の大敵です。知的好奇心を持って何かに取り組めば、ストレス発散となり海馬を守ることにつながります。

事実、知的好奇心にあふれている人は皆生き生きとしていますし、いくつになっても知的好奇心を持ち続けることこそ、脳を若々しく保つ何よりの秘訣と言えるのです。

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