創造活動で手指を動かせば脳は活性化する?

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手指を動かして脳を活性化させよう

多くの人は、「脳の衰えは老化だから仕方がない」と考えているかもしれません。確かに脳の発育は二十歳でピークに達し、それ以降は神経細胞が毎日10万個ずつ死滅すると言われています。

しかし、脳には約140億~150億個もの神経細胞が残存し、その大半は生涯温存されるので心配いりません。

むしろ、肝心なのは神経細胞の連帯力でしょう。脳を積極的に使うほど神経細胞間で情報を伝達する神経線維(軸索)が増え、その周囲は「ミエリン」に包まれていきます。それと同時に、高度なネットワークが形成されるのです。

ですから、中高年でも脳を存分に働かせれば、ミエリンを強化できます。とりわけ、脳を鍛え、ミエリンの形成を促す効率のいい方法は、手指を動かすことでしょう。

そもそも、手や腕には多くの筋肉があり、巧みに連携することで手指の細かい動きが可能になります。

そのため、手指を使うと脳が強い刺激を受け、特定の部分だけでなく広い範囲に情報が伝わって活性化します。

しかし、闇雲に手指を動かしても、脳の神経線維は増えず、ミエリンの形成も促されません。ポイントは、創造活動で手指を動かすこと。

ちなみに創造活動とは、絵を描く、楽器を演奏する、文章を書く、料理を作ると言ったことです。

手指を動かして、視覚・聴覚・嗅覚・味覚を働かせて何かを作り上げることは、脳をひときわ活性化させることに役立つでしょう。

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楽器演奏の習得でミエリンが増強した

手指を使った創造活動の効果を示す例として、米国で行われた「ハーモニー・プロジェクト」があげられます。

これは、米国ロサンゼルスで最も犯罪率が高くを貧しい地域に住む10歳前後の子供達に楽器を貸し、弾き方を教える活動です。

活動に参加した子供達は、軒並み学業成績がアップし、半数以上の子供が高校を卒業できない同地区で96%の参加者が大学進学を果たしたのです。

こうした成果を得られたのは、手指を使って楽器を演奏したことで、脳の神経線維が増えてミエリンの形成が促され、脳の情報伝達が強化されたからでしょう。

米国のある研究によると、楽器を習った子供の脳を画像検査で調べた結果、ミエリンが増えて神経線維が太くなっている様子が確認できたそうです。

こうした効果は、中高年や高齢者でも期待できます。楽器演奏などの手指を使った創造活動を、毎日5分で構わないので行ってください。そうすれば、脳のミエリンが増え、頭の回転が良くなる効果を実感できるでしょう。

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