楽しく学ぶ知的な好奇心こそ脳の最強栄養

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脳を心地よくして記憶を深く刻み込む

「ワクワク」と心ときめくことは、脳にとって最高の栄養になります。興味・関心がある物事はすぐに覚えられるのに、そうでないものはなかなか覚えられない、という経験をしたことがあるでしょう。

これは、好奇心を持った時に、脳に心地よさや幸せを感じるドーパミンという物質が分泌されるからです。

ドーパミンが増えると、脳の中の認知機能を担う様々な部分が活性化します。記憶中枢の海馬も大いに刺激され、楽しい、嬉しいと言った感情と共に、記憶が長期間、深く刻まれるのです。

20~70歳の健康な成人約400人を対象にし的好奇心が脳にもたらす影響について調査した結果があります。

まず、それぞれの脳のMRI(磁気共鳴断層撮影)画像を撮影するとともに、五因子性格検査(外向性・協調性・良識性・情緒安定性・知的好奇心の尺度を効果的に測定する検査)を用いて知的好奇心のレベルを測りました。

そして、8年後に再び脳のMRI画像を撮って、双方を比較した結果、知的好奇心レベルの高い人ほど、加齢と共に進む脳の側頭頭頂部の萎縮が、少ない状態で保たれていることがわかりました。側頭頭頂部は、ワーキングメモリーをはじめ、様々な高次認知機能を担当しています。

つまり、知的好奇心を持つことで脳の萎縮が抑えられれば認知機能の低下が防げ、ひいては認知症予防も期待できると考えられるのです。

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脳ドリルの新鮮体験で脳を活性化

では、知的好奇心を長く保ち続けるには、どうすればいいのでしょうか。それには、夢中になれる趣味を持つことが一番です。

「無趣味だから」という人も、昔好きだったことをもう一度やってみてはどうでしょう。何をやっていいか分からないという人は、とりあえず、知人がやっている趣味を真似してみたり、カルチャーセンターの無料体験に申し込んだりするのもいいでしょう。「趣味を探そう」と考えて能動的に行動することも、また知的好奇心なのです。

趣味に限らず、「新しい体験をする」のも知的好奇心です。脳は新しい物事に触れるとより活性化します。

新しい体験によって、今まで使ったことのない脳の領域が刺激され、脳のネットワークがどんどん広がります。

米国テキサス大学の研究では、「裁縫を習ってキルトを作る」「iPadの使い方を覚える」など新しい知識に取り組むグループと、おしゃべりなど既存の能力だけで活動を行うグループとに分けて比較調査を行ったところ、新しい知識を学んだグループでは、記憶力や情報処理速度が以前よりもアップしたという結果が得られました。新しい体験で脳はより元気に働き出すのです。

そうは言っても、年を取ると、体力や気力が衰えてきて、新しいと聞くだけで、身構えたり気後れしたりする人も多いでしょう。

難しく考える必要はありません。実は、新しい物事は、日常生活の中でたくさん見つけることができます。

例えば、あまり本を読まない人が新聞や週刊誌の短い記事を読んでみる。テレビで野球しか見たことのない人がサッカーやテニスの試合を見てみるなど、ささいな体験でいいのです。

また、様々な脳ドリルにチャレンジするのも新鮮な体験になります。問題を解くために、脳のネットワークが駆使されるばかりか、今まで知らなかった知識や情報に触れることは新鮮な体験となり、知的好奇心が大いに刺激されます。ぜひ気軽に取り組んでみてください。

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