アロマテラピーの歴史 現代 アロマテラピーの誕生

現代になって、「アロマテラピー」という用語が使われるようになります。精油の薬としての作用や心身の健康や美容に及ぼす効果についての研究も活発になっていきます。

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アロマテラピーの誕生と実践

アロマテラピーの生みの親ガットフォセ

現在使われている「アロマテラピー」という用語を作ったのは、フランスの化学者ルネ・モーリス・ガットフォセです。

彼は実験中に負った火傷の治療にラベンダー精油を使用し、その効果を自ら実感しました。以後、精油の治療を研究し、1937年に「Aromatherapie」を発表しました。

ジャンバルネによる研究

フランスの軍医ジャン・バルネは第二次世界大戦とインドシナ戦争の負傷者たちに対し、精油から作った薬剤による治療を施しました。そして1964年に「AROMATHRAPIE(植物=芳香療法)を著し、精油の作用を紹介しました。

「役に立つこと」「科学的領域にとどまること」を重視した彼の活動が基礎となり、フランスでは主に精油を薬として用いる方法が研究されました。そのため今に至るまで、薬理的な実践方法がフランスのアロマテラピーの特徴となっています。

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ホリスティック・アロマテラピー

その薬用としてのアロマテラピーを革新したのが、1960年代にフランスで活躍したマルグリット・モーリーです。

彼女は美容と健康という考え方を取り入れ、トリートメントオイルを用いたマッサージを提唱しました。

1961年に著された「Le capital Jeunesse(最も大切なもの・・・若さ)」は以降英訳され、イギリスのアロマテラピーに大きな影響を及ぼしました。

そして多くのアロマセラピストがモーリーの論理に基づくアロマテラピーを実践するようになります。この流れは後に、ホリスティック・アロマテラピーと呼ばれるようになります。

イギリスでは1960年代から1980年代にかけて、シャーリー・プライス、ロバート・ティスランドたちがアロマテラピースクールを開設し、ホリスティック・アロマテラピーの流れを汲む、多くの専門家を育成しました。

アロマテラピーが医師だけでなく大衆に受け入れられることによって広く浸透し、多様な展開を生み出しました。

マルグリット・モーリー

1895年~1968年。インド、中国、チベットの伝統的な医学や哲学を研究し、トリートメントオイルを用いたマッサージ法を考案。

内服中心、薬理作用重視のフランスのアロマテラピーと対照的に、精神と肉体のバランスを整える方法論を提唱した。

ロバート・ティスランド

1960年代から1980年代にかけ、イギリスにアロマテラピースクールを開設。「アロマテラピー(芳香療法)の理論と実際」(The Art of Aromatherapy)を出版。この日本版の翻訳も、日本でのアロマテラピーの普及に影響を与えた。

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世界で行われる精油の研究

また、専門的な研究も世界中で行われるようになります。2004年ノーベル医学生理学賞を受賞した「嗅覚システムの組織とにおいの受容体」は、人がどのように匂いを識別し記憶するかについて解明したものです。

日本でも、鳥居鎮夫が生前、東邦大学名誉教授時代に香りの心理効果を研究しました。随伴性陰性変動(CNV)と呼ばれる特殊な脳波による実験で、ラベンダーなどの香りの鎮静作用、興奮作用を明らかにしたのです。実験結果はイギリスで発表され、高い評価を得ました。

嗅覚システムの組織とにおいの受容体

米国コロンビア大学のリチャード・アクセル博士および米国フレッド・ハッチソン・がん研究センターのリンダ・バックス博士によって、においの識別メカニズムが解明された。

またこの研究で、嗅細胞の匂い受容体を作る遺伝子の数が、全遺伝子数の約3%を占めていることが発見された。

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