さまざまな環境問題

環境が脅かされ、生態系のバランスが崩れつつある地球。人間が積み重ねてきた環境への害を見つめ直し、今、地球に起きている問題について理解を深めましょう。

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自然と共生してきた日本人

豊かな気候風土に恵まれた日本。そのため昔の日本人は、多くを自然の恵みに頼って暮らしていました。

まず衣食住に必要なものや、薬などを植物から作ってきました。また、季節によって表情を変える植物により、豊かな感受性を育ててきました。

日本人はまた、人と自然の後合作とも言える、豊かな自然を作り出してきました。それが里地里山です。

里地里山

人里に接した里山。人の手が入ることで、豊かになった自然環境。人手による樹木が伐採されることで、地面に光が届くようになるため、木々の更新が進み、小さな草花が育ち虫が集まる。またため池や田んぼにはドジョウやタガメが生息し、それらを餌とする野鳥も集まる。

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都市化・近代化の弊害

しかしこうした暮らしは、都市化・近代化とともに変化します。人は便利で豊かな暮らしを求めるあまり、自動車、24時間営業店舗などがどんどん普及しました。大量生産・大量消費・大量廃棄社会への歩みが加速したのです。

また高度経済成長とともに、大気や水の汚染といった公害が発生し、多くの人の健康や命が奪われ、自然環境も大きなダメージを受けました。

こうした状況は世界中で進み地球全体のレベルで見ると、森林が激減することで地球温暖化が進行するなど、環境問題もより拡大していきました。

深刻な影響をもたらす地球温暖化

地球温暖化とは、その名称が示すように、地球が暑くなることです。地球は太陽のエネルギーで温められています。

地球を覆う熱のうち一部は宇宙に放出されますが、一部は大気中の温室効果ガス(二酸化炭素など)の働きで大気中に閉じ込められます。生物の生存に適した温度や環境が作られています。

その状態を大きく変化させたのは産業革命です。石炭や石油といった化石燃料を燃やし続けることで大気中に大量の温室効果ガスが放出されるようになりました。

それとともに、森林が減ることにより、二酸化炭素の吸収が減り、温室効果ガスの増加に拍車をかけました。こうして、地球温暖化が進んできたのです。

地球温暖化の影響は、単に地球が暑くなるということではありません。南極の氷が溶け出すことによる海水面の上昇や、洪水、台風も頻発と言った異常気象などが挙げられます。また感染症を媒介する蚊が越冬できるようになるため、感染症の拡大も懸念されています。

森林の破壊と生物への影響

人間の手による自然破壊のひとつが、森林の急激な減少です。森林は世界の陸地の1/3を占めていますが、2000年から2010年にかけては、毎年、520万ヘクタールの森林が減少しています。これは、日本の国土の14%に当たる面積です。

森林減少の原因は、燃料、建築資材などを得る目的や、牧場や農地を作るための大量伐採など。森林が減り続けると、地球温暖化の促進の他、野生生物学が住処を失ったり、土壌の保水力低下によって洪水が起きやすくなるなどの影響もあります。

また、地球規模で多くの絶滅種、絶滅危惧種などが報告されています。一つの種が絶滅に至るまでの期間も短くなってきています。

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廃棄物問題

大量生産・大量消費社会が招いたのが、大量の廃棄物(ゴミ)の問題です。日本で家庭や事務所から排出されるごみ(一般廃棄物)は、年間で約4500万トン(平成26年)にものぼります。

これは、東京ドーム約122杯分です。その他、工場や建設現場など、産業活動からの大量のゴミ(産業廃棄物)が排出され、処理にかかる費用や埋立地不足も問題になっています。

大気汚染

日本は高度成長期の大気汚染や健康被害の反省を踏まえ、環境へのさまざまな取り組みを行っています。

しかしSPM(浮遊粒子状物質)やPM2.5など国境を超えて発生する問題はまだ課題が多く、国内の努力だけでなく、アジア諸国との協力のもと対策をとっていく必要があります。環境改善の先駆者として、日本の技術を各国と共有することも大切です。

ヒートアイランド現象

緑の減少、舗装された道路の増加、車や建物から排出される熱が、都市部でのヒートアイランド現象を招いています。

多くのエネルギーを使用する都市の気温が周辺に比べ異常に上昇し、真夏日や熱帯夜は増えるなどの影響があります。

熱中症などの増加だけでなく、生態系への影響やエネルギー使用量の増加で温暖化が促進するなどの悪循環が心配されます。

オゾン層の破壊

植物が排出する酸素は、上空の成層圏でオゾン層を形成しています。オゾン層は太陽からの有害な紫外線を食い止める役割を果たしています。

しかし近年、このオゾン層が減少することで地表へ届く紫外線が増え、人の皮膚癌発生率のアップを含めた動植物への悪影響が出始めています。

オゾン層の破壊は、冷蔵庫やエアコンの冷媒に使用されるフロンなどの化学物質が原因の一つとされています。

酸性雨

都市舟渡の大気汚染は酸性雨を招きます。工場や自動車の排気ガスに含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物などが大気中で硫酸、硝酸などとなり雨や霧、雪に取り込まれて地上に降ってくるのです。

森林を枯死させたり、魚を死滅させるなどの自然への影響のほか、彫刻や銅像を溶解させるなど、文化財への被害も出ています。

水の汚染

本来、海や川は一定の浄化作用を有しています。しかし、それを超える産業排水や家庭排水が排出されると、汚染が進んでいきます。こうした海や川の汚染も、人の健康や生態系を脅かします。

日本の環境保全への取り組み

公害や地球環境破壊への対策として、日本では「公害対策基本法」「環境基本法」などが制定されています。

環境を守るために、便利さや快適性のみを追い求めてきたこれまでの歴史を反省し、「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現を目指すことが重要です。

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