「世界遺産学検定」取得でガイド・講師への道も
自然、文化、複合、世界で計1031の遺産をめぐり歩く
歴史が好きであることに加え、「文化」や「自然」の分野にも興味を持っている人に人気が高いのが、世界遺産をめぐり歩くことです。それを趣味にしているという人も、年々、増えているようです。
世界遺産は、世界遺産条約に基づいて、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)で認定・登録された文化的な建造物や自然景観です。
いわば人類全ての共通の財産であり、宝物でもあるのです。文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類に分けられていて、世界で計1031件(文化802件、自然197件、複合32件)が登録されています(2015年7月8日現在)。
未来に残すべき普遍的な物件として、ワールドワイドな基準で設定されているので、いずれも学ぶべきことが数多くあり、また、自然景観を素晴らしいものばかりです。
「天空の都」「空中都市」として一躍、世界的に有名になったインカ帝国最大の遺跡「マチュ・ピチュ」(ペルー)もその中の一つです。
日本の世界遺産としては、1993年に文化遺産「法隆寺地域の仏教建造物群」「姫路城」、自然遺産「白神山地」「屋久島」の4件が初めて認定されました。
以来、これまでに文化遺産15件、自然遺産4件の全部で19件が登録されています(2015年7月現在)。
この中には、広島の「原爆ドーム」も含まれていますが、これは、第二次大戦中のナチスによる「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」(ポーランド)の世界遺産などとともに「負の遺産」とも呼ばれ、人類の貴重な歴史的資料となっています。
世界遺産めぐりを始めるには、いきなり海外の遺産をめぐるよりは、まず国内の19ヶ所を対象に、自分にとって興味深いもの、勉強してみたい遺産に絞り込んで取り掛かるのがいいでしょう。
その際、先に現地に足を運ぶよりは、世界遺産に関する書籍やビデオがたくさん出ていて、テレビ番組などでもよく放映しているので、事前に遺産の内容をしっかり下調べして、準備を整えてから行くことです。
そうすれば、より深く理解出来るようになりますし、あとでメモをまとめ上げる時などにもスムースに運べます。世界遺産は、多くは地方にあるので、費用(交通費)が少しかかります。海外にある世界遺産となればなおのことです。
そういう場合は、比較的近いところにある遺産に絞ったり、バスでも電車でも、安いツアーがよく企画されるので、それをこまめにチェックして利用することです。
また、ツアーであれば、同じ趣味の人達と乗り合わせる機会が多くなるので、かえって良い勉強になるかもしれません。
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「世界遺産学検定」2級以上でガイド・講師の可能性もあり
世界の人々の共通の財産である世界遺産。その知識や理解を深め、学んだことを社会に活かしつつ、啓発と保全活動の輪を広げるために、世界遺産アカデミーの運営事務局では「世界遺産学検定」の資格認定試験を実施しています。
資格認定は、2006年にスタートし、13年までに受検者が約6万人、認定者は3万人を超えているということです。
1~4級とマイスターの資格認定があり、2級までは年齢や性別、国籍、学歴などに関係なく誰でも受験できますが、1級は2級認定者か、07年までのシルバー認定者で、マイスターは1級認定者か、08年までのプラチナ認定試験資格者となります。
2級以上の資格認定者になると、同アカデミー主催の世界遺産ガイダンスの講師として活躍することも可能になります。また、世界遺産のある自治体や観光案内所などでガイドとして働いたり、ボランティア活動に活かすこともできます。ただ、報酬はあまり期待できません。
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日本の世界遺産19件
文化遺産
- 法隆寺地域の仏教建造物群(奈良県)
- 姫路城(兵庫県)
- 古都京都の文化財(京都府・滋賀県)
- 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県・富山県)
- 原爆ドーム(広島県)
- 厳島神社(広島県)
- 古都奈良の文化財(奈良県)
- 日光の社寺(栃木県)
- 琉球琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県)
- 紀伊山地の霊場と参詣道(和歌山県・奈良県・三重県)
- 石見銀山遺産とその文化的景観(島根県)
- 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び関連する考古学的遺跡群ー(岩手県)
- 富士山ー信仰の対象と芸術の源泉ー(静岡県・山梨県)
- 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)
- 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(山口県・鹿児島県・静岡県・岩手県・佐賀県・長崎県・福岡県・熊本県)
自然遺産
- 屋久島(鹿児島県)
- 白神山地(青森県・秋田県)
- 知床(北海道)
- 小笠原諸島(東京都)