「観光案内人」資格取得で旅行者のガイド役に
旧跡や城、城跡について調べながら各地をめぐり歩く
歴史について考えたり、調べたり、あるいは現地に足を運んで遺物に触れたりする、歴史好きの人が増えているようです。特に最近は、「歴女」という言葉に代表されるように、歴史に興味を抱き、趣味とする女性が増えています。
歴史と一口に言っても古代から近世・近代まで、幅広い時代にわたっていて、興味とする対象も多種多様なわけですが、中でも人気があるのが、旧跡や城、城跡について調べながら各地をめぐり歩くことです。
城や城跡に足を踏み入れ、そこに立つことで、その時代が持つ独特の息吹や雰囲気が感じられるとともに、歴史の雄大さも体感できます。それが、城めぐりの大きな魅力とも言えるでしょう。
かつて日本では、2万5000を超える城が建設されたと言われます。今、現存する「天守」は、松本城や姫路城など国宝の5城を含め、北の青森・弘前から南の四国・宇和島まで12城ありますが、城によっては、当時の時代状況を説明した書類や遺物を展示しているところもあり、その場で歴史が学べます。
また、天守はなくても、石垣や土塁、堀割だけが遺っている城跡は、全国各地にあって、秘められたそれぞれの歴史的背景を調べてみるのも一興です。
例えば、石川・能登の七尾城は、1959年に大ヒットした三橋美智也の歌謡曲「古城」のモデルと言われ、歌碑も建立されていますが、果たしてあの歌詞に歌われている城だったのか、というアプローチの仕方で調べていく面白さもあるでしょう。
城めぐり歩くには、(公財)日本城郭協会が定めた日本100名城のガイドブックをはじめ、書籍やビデオなどが数多く出ているので、それらで下調べをしてから現地に行くようにすれば、歴史的な理解を認識を深められます。
旧跡に関しては、どんな町や村にも必ず数カ所はあるので、身近なところから始めてみることです。そこから関連付けるようにしながら、近隣の市や町、県外の史跡へと少しずつ足を伸ばしていきます。
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旅行者へのガイド役として報酬も可能
史跡・城めぐりはもちろん一人でも出来ますし、友人・知人などのグループでも、また同好会に参加しながらでも楽しめます。バスツアーなどもあるので、そういう企画に加わりながら、同好の士と切磋琢磨しつつ知識を広げ、深めていくのもいいかもしれません。
また、ただ城を見て回るだけでなく、写真を撮ったり、スケッチなどをしながらめぐり歩くようにするのです。そして、自分なりに調べてまとめあげたメモと一緒に、独自のお城ガイドブックなどを作成したりすれば、上々の趣味の完成となります。
費用は、遠出する場合は、新幹線ではなく在来線を使ったり、一番オススメは格安バスツアーを利用すること。そうすれば、かなり節約できます。
この趣味を活かして、各自治体や商工会議所での認定資格「観光案内人」を取得すれば、そこの観光案内所や観光情報センターで働けたり、認定する自治体や団体に登録しておくと、旅行者へのガイド役として紹介したりしてもらえます。少ない金額ながら報酬も出ますし、あとはボランティアとして、地域の活性化にも役立てられます。
さらにスキルアップして、「旅行地理検定(地理検)」(旅行地理検定協会)や、観光プランナー、観光コーディネーター((一社)日本観光文化協会)の認定資格を取ると、活躍の範囲も広がります。
旅行地理検定は、国内旅行と海外旅行の2種類、1~4級までの資格があり、1級の最高得点者は「旅行地理博士」として表彰。観光地でガイド役として活動できる他、雑誌などで旅行ライターとしても働けます。もちろん、活動に応じてそれ相当の報酬が得られます。
また、観光プランナーの場合は、もう少し活動のエリアが広がります。名所旧跡や城、自然の景観を見て歩くことに加えて、その土地・地域の生活文化や伝統、芸術、さらには特産品や郷土料理などの魅力を探ることで、地域活性化や町おこし・村おこしに貢献しようとするものです。要するに、旅行や観光へのこだわりを、より深めようとするための資格と言えます。
資格取得には、通信講座を受講し、筆記試験に合格する必要があります。プランナーの資格をさらにスキルアップしたのが観光コーディネーターです。
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天守が現存する12城
- 弘前城(青森県)
- 丸岡城(福井県)
- 彦根城(滋賀県・国宝)
- 松江城(島根県・国宝)
- 丸亀城(香川県)
- 伊予松山城(愛媛県)
- 松本城(長野県・国宝)
- 犬山城(愛知県・国宝)
- 姫路城(兵庫県・国宝)
- 媚中松山城(岡山県)
- 高知城(高知県)
- 宇和島城(愛媛県)