男性ホルモンの減少が数々の不調を招く
「何となく調子が悪い」「疲れやすくてすぐ横になる」「なかなか眠れない」「なぜか気分が晴れなかったりイライラしたりする」
年を重ねるにつれてこうした悩みを抱える男性は意外に多いものです。実は、その大きな原因の一つに男性ホルモン「テストステロン」の分泌の減少があるのをご存知でしょうか。
テストステロンは、男性の生殖機能を司るホルモンとしてよく知られていますが、それ以外にも次のような重要な働きを担っています。
- 筋肉や骨などを作る
- 内臓脂肪がつくのを抑える
- 動脈硬化の発生を防ぐ
- ストレス耐性を高める
- 判断力や記憶力などの認知機能を保つ
- 心の積極性を生み出す
テストステロンの分泌量は10代後半~20代でピークを迎え、その後、30代から少しずつ減少していきます。
しかし、その減り方には個人差があり、ストレスや社会的孤立などの影響でテストステロンが急激に減ると、体が順応できず、心身の様々な不快症状を招くのです。
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男性の更年期障害は自覚しづらい
近年、テストステロンの減少が原因で様々な不快症状が起こる、いわば、「男性の更年期障害」が問題になっています。
この病気は、正式には「加齢男性性腺機能低下症候群」といい、英語名の頭文字を取って「LOH(ロー)症候群」とも呼ばれます。
LOH症候群の国内患者数は、予備軍も含めれば約250万人にのぼると言われていますが、病気自体を自覚できる人はそれほど多くありません。
女性の更年期障害では閉経という分かりやすい区切りがあるのに対し、男性にはそうした区切りがないため、不調の原因がテストステロンの減少と気づきにくいのです。
思いがけず大量の汗が出る、ぐっすり眠れない、些細なことにイライラする、筋力の低下や性欲の衰えを感じる、髭の伸びが遅くなった、などに心当たりのある男性は、LOH症候群に陥っている可能性があると考えられます。
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玉ねぎのエキスでテストステロンが約2倍に増加
LOH症候群の克服には衰えたテストステロンの分泌を高めることが重要です。それには生活リズムの改善や運動の習慣などが基本となりますが、テストステロンを増やす食品を補うのもいいでしょう。その中でもおすすめなのが、ニンニクと玉ねぎです。
玉ねぎがテストステロンを増やすことは、マウスを用いた実験で確認されています。実験用のマウスを、玉ねぎの濃縮エキスを与える群と与えない群に分け、4ヶ月後に血液中のテストステロン値の変化を比較しました。
その結果、玉ねぎを与えた群では与えない群では与えない群に比べてテストステロン値が約2倍に増加していることがわかったのです。
こうした結果は、玉ねぎに含まれる硫黄化合物のアリインによってもたらされたことも示されました。アリインなどの硫黄化合物はニンニクにも豊富に含まれています。
にんにくがテストステロンを増やす働きは、ニンニクと共にタンパク質をとると強がることがラットの実験で確認されています。にんにくは肉や魚と合わせてとりましょう。
テストテストステロンは別名「社会的ホルモン」と呼ばれ、友人や孫と会ったり、趣味に興じたりするなど社会とのつながりを感じることでも強く分泌が促されます。高齢になっても家に閉じ込めらず、社会と関わる積極性を持つようにしましょう。