アロマテラピー 精油の基本

アロマテラピーでは、精油を通して植物の力を心身に取り入れます。精油とは何か、まず、その定義について。また、精油の基本的な特性、植物がなぜ、どのように精油を作るのかも。

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精油とは

精油とは、植物から香りの成分(芳香物質)を抽出した100%天然の素材で、エッセンシャルオイルとも呼ばれます。「甘い香り」「爽やかな香り」など、植物によって香りが様々なように、そこから取られる精油の香りも様々です。

また、精油には、痛みを和らげたり、気持ちを鎮めるなど、たくさんの作用がありますが、こうした作用も、もとになる植物によって異なります。

なお、精油の元になる植物は、世界共通の名称である学名で分類されます。また、精油には「油」という文字が含まれますが、オリーブ油などのような植物油とは異なります。

植物油の多くは油脂(いわゆる油のこと)に分類されますが、精油は油脂ではなく、全く別の物質です。

公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)による精油の定義

精油(エッセンシャルオイル)は植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質である。各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものである。

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精油の4つの特性

精油には4つの特徴的な性質があります。精油を安全かつ効果的に使うために、下記の特性をよく覚えておきましょう。

芳香性

よい香りを放つ性質。精油ごとに含まれる成分が異なるため、それぞれ独特の香りを持つ。

揮発性

空気中に蒸発していく性質。精油瓶の蓋を開けた時、香りが周りに広がるのはこの性質のため。

親油性

油に溶けやすい性質。脂溶性とも言う。ほとんどの精油は油には溶けやすいが水には溶けにくく、水よりも軽いため、水や湯にたらすと表面に浮く。

引火性

燃えやすい性質。蒸発して空気と混ざり、そこに火や熱が加わると燃え出すことがあるため、キッチンなど火気のある場所での使用・保管には注意が必要。

精油の劣化

精油は天然のものであるがゆえに、時間が経過するとともに、少しずつ成分が変化する(劣化する)という性質を持っています。空気に触れる事で酸化してしまうなどがその例です。こうした成分の変化によって、精油の香りも変わってしまいます。

精油を保管する際は、成分変化をできるだけ防ぐ保管方法を選び、精油を良い状態に保ちましょう。

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植物にとっての精油とは

精油が作られるまで

植物は、光合成により二酸化炭素と水から酸素と糖やタンパク質などを作り出します。これを一次代謝といい、できたものは一次代謝産物と言います。さらに、植物は一次代謝物を利用して二次代謝を行い、天然の化学物質である様々な有機化合物を作ります。

精油はそうした有機化合物が数十~数百種類集まってできたもので、二次代謝産物の一つです。

精油が蓄えられる部位

植物によって精油を作り出す目的は様々です。そのため、精油が作られ、蓄えられる場所も、花であったり、葉であったりと、植物ごとに異なります。精油は植物全体にまんべんなく含まれているわけではないのです。

例えばカモミールなら花、グレープフルーツなら果皮などと精油が蓄えられる場所は植物の種類によって異なります。従って、精油の抽出部位も、花、葉、果皮など、植物によって様々になります。

精油のケモタイプ

精油はもとになる植物によって成分が異なるものですが、同じ学名の植物から取られた精油でも、生育する土壌や気候などにより成分が大きく異なることがあります。

これを「ケモタイプ(化学種)」といい、ケモタイプごとに香りや作用が異なります。ケモタイプのない精油もあります。

植物が芳香物質を作る理由

植物は自らを守り、種を存続させるために様々な活動をしており、芳香物質を作り出すのもその一つです。植物にとっての芳香物質の役割は、主に誘引効果、忌避効果、抗真菌・抗菌効果などと考えられます。

さらに、他の植物の発芽や生長を抑制して植物同士の生存競争を有利にしたり、情報伝達物質として働いたりするとも考えられています。

誘引効果

受粉を助けてもらったり、種子を遠くに運んでもらうため、昆虫などを引き寄せる効果

忌避効果

摂食されるのを防ぐため、昆虫などを遠ざける効果。

抗真菌・抗菌効果

カビなどの有害な真菌類や細菌の発生・増殖を防ぐ効果。

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