総務省によると、昨年1年間にふるさと納税した人は、全国で約130万人、市町村別にみた人数のトップ20自治体が下の表だ。
都市部の自治体がずらりと上位を占める。総務省資料を基に、一人当たりの平均寄付額を算出すると、10万円前後が多い。
ただ、東京都港区38万円、東京都世田谷区18万円など、突出して高い自治体もある。高額所得者ほどふるさと納税で差し引かれる税額が多いため、寄付額も大きくなる傾向だ。
寄付した人数を人口比で見ると、1~2%前後の自治体が多い。一方で、港区は5%近く、世田谷区は3%近くもいて、関心の高い人が多いようだ。
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ふるさと納税をしている人が多い自治体と寄付額の表
順位 | 自治体名 | 人数 | 平均寄付額 (万円) |
1 | 神奈川県横浜市 | 65,197 | 11 |
2 | 愛知県名古屋市 | 37,008 | 14 |
3 | 大阪府大阪市 | 36,701 | 11 |
4 | 神奈川県川崎市 | 28,544 | 10 |
5 | 東京都世田谷区 | 23,326 | 18 |
6 | 兵庫県神戸市 | 23,234 | 11 |
7 | 京都府京都市 | 19,520 | 14 |
8 | 埼玉県さいたま市 | 18,786 | 11 |
9 | 北海道札幌市 | 18,529 | 11 |
10 | 福岡県福岡市 | 17,450 | 12 |
11 | 東京都大田区 | 14,292 | 13 |
12 | 東京都江東区 | 13,725 | 12 |
13 | 東京都練馬区 | 13,227 | 12 |
14 | 東京都杉並区 | 12,706 | 14 |
15 | 広島県広島市 | 12,458 | 10 |
16 | 千葉県船橋市 | 12,299 | 9 |
17 | 東京都港区 | 11,264 | 38 |
18 | 東京都品川区 | 11,055 | 14 |
19 | 宮城県仙台市 | 10,870 | 12 |
20 | 大阪府堺市 | 10,833 | 11 |
ふるさと納税をする人が多い都市部の自治体は、税収が減り、悲鳴を上げ始めている。東京23区でつくる特別区長会は、ふるさと納税で2016年度に失われる税収を129億円と試算する。
100人規模の区立保育所109ヶ所分の年間運営費に当たるといい、影響額は前年比5.4倍に膨らんでいる。
「寄付は建前で、(都市と地方の)税源偏在是正の目的が明白」「返礼品競争が過熱している」などと、区長会は制度の在り方の再考を求めている。
ふるさと納税を使う人が増えれば、こうした声は都市部のほかの自治体へと、さらに広がりかねない。個人の生活防衛策としては、制度の恩恵を受けられる今のうちに、最大限活用するのが得策のようだ。
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(参考)自己負担分の2000円を除く全額が税金から控除される目安(年間上限額)
年収(万円)
|
家族構成 | ||
独身または 共働き |
夫婦、または 共働きで 子1人(高校生) |
夫婦で子1人 (高校生) |
|
400 | 42,000 | 33,000 | 25,000 |
600 | 77,000 | 69,000 | 60,000 |
800 | 129,000 | 120,000 | 110,000 |
1,000 | 176,000 | 166,000 | 157,000 |
1,500 | 386,000 | 374,000 | 362,000 |
※総務省の資料から。給与所得者の例で、「夫婦」は配偶者の収入がない場合。