肌細胞の若返りを促しシミ・シワを消すならβ-カロテンなど美肌成分がたっぷり補える「酢ニンジン」がいい
肌の老廃物を排出して美肌に役立つ
肌荒れ、シミ・シワ・くすみなど、紫外線による肌トラブルに悩んでいる人にオススメしたい食べ物が酢ニンジンです。
酢ニンジンとは、今人気の酢ベジ（酢漬け野菜のこと）の一種で、細切りにしたニンジンを酢と塩・コショウと言った調味料と一緒に和えて作る簡単常備食です。ニンジンと酢を合わせればさっぱりとして美味しく日持ちもします。
肌の調子を保つ食品としてニンジンが真っ先に浮かぶ人は少ないかもしれません。しかし、ニンジンは知る人ぞ知る美肌成分の宝庫なのです。
ニンジンには、利尿作用の強いカリウムや便通を良くする食物繊維、血液の循環を促す香り成分のクマリンが豊富に含まれます。これらの栄養を補うことで肌をはじめとした全身の老廃物の排出を促す効果が期待できるのです。
ただ、ニンジンに含まれる最も重要な美肌成分としてあげるべきなのは、色素成分のβ-カロテンでしょう。β-カロテンは世の中に数多くある美肌成分の中でも、特に高機能な栄養素と言えます。
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紫外線による肌の老化を防ぐ
β-カロテンが美肌作りに役立つ理由は大きく分けて2つあります。
一つ目は、紫外線による肌へのダメージを軽減してくれることです。紫外線を浴びると活性酸素（攻撃力の強い酸素）が肌で大量に発生して炎症が起こり、肌の老化を招いたり、シミやくすみの原因となるメラニン色素の沈着を起こしたりします。
β-カロテンは、この活性酸素の害を防ぐ抗酸化力が非常に強力です。その強さは、抗酸化力が強いとされているビタミンEの約50倍と言われています。2つ目は、β-カロテンが体内で美肌成分をビタミンAに変化することです。
ビタミンAは、肌や粘膜の新陳代謝（古いものと新しいものの入れ替わり）を促して健康な状態に保ってくれるビタミンです。
さらに、ニキビの悪化や細菌による感染も教えてくれます。そのため、ビタミンAが体内に多く存在すると肌の透明感が増して、ハリやツヤがよくなることが知られています。
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肌の潤いを保つのに著効
ニンジンの美肌効果は日本の飲料メーカーが行った試験で確認されています。試験は20歳から39歳の健康な女性33名を2つのグループに分けて行われました。
一方のグループには、200mlあたりβ-カロテンを約13.2mg含むニンジン100%飲料を、もう一方にはミネラルウォーターを、それぞれ1日400ml、9週間飲んでもらいました。
その間、色素沈着の条件を揃えるため、摂取開始から1週間後に全員へ紫外線照射を行い、色素沈着の度合いや角質水分量を測定しました。また、摂取開始4週間後と9週間後には肌に関するアンケートを実施しました。
その結果、ニンジン100%飲料を飲んだグループの方が摂取開始から2週間後の肌のL値（肌の明度、値が高いほど白く明るい）は高く、メラニン値（メラニン色素の量）も低かったのです。
角質の水分量もニンジン100%飲料を飲んだグループのほうが、ミネラルウォーターを飲んだグループより有意に増加していました。
また、アンケート結果でも「肌の乾燥」「肌の潤い」「化粧もち」などの項目で、ニンジン100%飲料を飲んだグループのほうが、ミネラルウォーターを飲んだグループより多く改善を実感していることが確認されたのです。
このように優れた美肌効果を持つニンジンですが、一つだけ難点があります。それは、アスコルビナーゼというニンジンに含まれる酵素が、他の食材のビタミンCを酸化させてしまう点です。
その点、酢ニンジンは安心です。というのも、アスコルビナーゼは、酢やレモン汁など酸性の液体と合わせることで、その働きが抑制されるという特徴があるからです。これらの点から、美肌づくりを目指す人には、ニンジンがおすすめです。