シイタケの特効成分エリタデニンは脳梗塞を招く悪玉アミノ酸ホモシステイン減らしに有効と実験で確認
脳梗塞の発症率が約4倍も違う
酢戻しシイタケをとることで得られるシイタケの特攻成分「エリタデニン」は、動脈硬化を招く高血圧や高脂血の撃退に役立ちます。ただ、エリタデニンに備わる力はそれだけではありません。
実は、シイタケのエリタデニンには、脳梗塞を招く新たな原因として注目されている「ホモシステイン」という悪玉アミノ酸(アミノ酸はタンパク質の構成成分)を大幅に減らす働きがあることも分かっています。
ホモシステインとは、必須アミノ酸(体内で合成できないアミノ酸)のひとつであるメチオニンが、体内でいくつもの段階を経て、タウリンというアミノ酸に変化する過程で副産物として生じます。
ホモシステインは主に血液中に存在し、普通なら体に害のない程度の量に保たれています。しかし、喫煙の習慣や偏食、葉酸やビタミンB群不足、加齢によって急増し、活性酸素(攻撃力の強い酸素)を大量に発生させて血管壁を傷つけ、動脈硬化を誘発したり、脳梗塞を直接的に招いたりするのです。
ホモシステインと脳梗塞の発症との関係については、筑波大学の研究グループが行った調査で明らかにされています。
その調査では、血液中のホモシステインの濃度が11マイクロモル以上の人は、7マイクロモル未満の人に比べて、脳梗塞の発症率が約4倍も高いことがわかりました。
さらに、同じ報告では血液中のホモシステインの濃度を5マイクロモル下げることで、脳梗塞の発症率を半減させられるとも指摘しています。
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ホモシステインを作る酵素を抑制
シイタケのエリタデニンが血液中のホモシステインを減らす効果は、次の実験で確認しています。
その実験では、ネズミを2つのグループに分け、一方にはエリタデニンを加えたエサ、もう一方には普通の餌を与えました。
すると、エリタデニンを与えた群では、血液中のホモシステインの濃度が低く抑えられていたのです。
エリタデニンがホモシステインの量を低く抑えるのは、次の仕組みによります。
前述のとおり、ホモシステインはメチオニンがタウリンに変化する過程で生じます。その過程において、ホモシステインに変化する直前の段階でS-アデノシルホモシステインというアミノ酸ができます。
エリタデニンはS-アデノシルホモシステインを分解する酵素の働きを妨げ、S-アデノシルホモシステインがホモシステインに変わるのを防ぐことで、ホモシステインの発生を抑えているのです。強い脳梗塞の予防のためにも、ぜひ酢戻しシイタケを活用してみてください。