現代生活では本来身体を持つ生体リズムが乱れ、睡眠の量・質が低下していると言われています。健康な生活の基礎となる、睡眠・休養の重要性を理解しましょう。
なぜ人は疲れる?
頭や心、身体を働かせ続けることで、エネルギーが切れた状態を疲労と呼びます。疲労には、心に疲れを感じる精神的疲労と、身体に感じる肉体的疲労があります。
疲労感は、命や健康を守る上での重要なアラームともなります。疲れを感じた時に十分に休めないと、心身に支障をきたす場合もあるため、注意が必要です。
また、既に起こっている身体の異常を知らせている場合もあります。だるさや疲労感が続く場合は病気の可能性もあるため、自分の疲れを見逃さないようにしましょう。
疲労
神経や筋肉を継続的に使うことで、機能が低下して本来の働きを果たせなくなった状。脳に一定量の情報が集まると自覚する。
疲労の種類
疲労には、肉体的疲労と精神的疲労の二つがあります。そのため、身体を休めることにより肉体的疲労は回復していたとしても、ストレスが解消できていない場合、精神的疲労が蓄積することがあります。
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休養の種類
疲労を感じた時には、休養を取ることが大切です。「休養」という言葉には「休む」ことで心身の疲れを取り、英気を「養う」ことで健康状態を高めるという意味があります。
休養には、積極的休養と消極的休養の二つがあります。積極的休養はアクティブ・レストとも呼ばれます。
仕事や勉強などで同じ姿勢を長時間続けた際、軽い体操を行って血行を促したり、スポーツの後などにストレッチを行い、筋肉を和らげることなどもこれに含まれます。また旅行や趣味など、楽しいことをして気分転換をはかるのも、積極的休養の一つです。
これに対し、消極的休養は頭や身体を休めて疲労回復を図ることです。睡眠や入浴の他、家でのんびりすることなどがこれにあたります。
積極的休養と消極的休養
積極的休養と消極的休養のいずれか一方では十分な休養となりません。両者を十分に取り入れることで、心も身体も休息でき、明日への気力を養うことができます。
睡眠の役割とメカニズム
睡眠は身体や脳の活動を休止して回復を図る、消極的休養に分類されます。とは言え、睡眠時、脳は完全に休息しているわけではありません。
睡眠に漏れリズムがあり、寝ている間は、レム睡眠とノンレム睡眠という2つの眠いを繰り返しています。
この二つの睡眠を合わせて1セットとした場合、1セットには一般的に約90分かかります。眠りに落ちてから目覚めるまで、4~5セットを繰り返すと言われています。
レム睡眠中は夢を見ている場合が多いことから、記憶の情報整理が行われていると考えられます。また筋肉が緩み疲れを取ると共に、自立神経の働きも不安定となって、心拍数、呼吸、血圧が変動します。
これは身体が休息している状態を示しています。対してノンレム睡眠時は脳の働きが低下し、自律神経は安定した状態です。
レム睡眠の役割は、記憶の整理、身体の休息です。それに対してノンレム睡眠時は脳が休息し、生理機能が低下した状態になります。
ノンレム睡眠はその深さによって4つの段階に区別されますが、中でも眠りが非常に深い徐波睡眠では、脳の働きが最も低下したまさに休養している状態になります。
深いノンレム睡眠が見られるのは就眠直後ですが、時間の経過とともに、徐々に浅いノンレム睡眠へと移行していき、レム睡眠になります。なお、自然な目覚めの直前、眠りが最も浅くなっている状態はレム睡眠です。
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レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠パターン | 特徴 | 眠りの深さ | 脳の状態 |
レム(REM)睡眠 | 急速な眼球運動がある 脳波は覚醒時に近い 自律神経の働きが不安定になる |
浅い | 起きている |
ノンレム(non-REM)睡眠 | 眼球運動はない 自律神経の働きが安定する |
深い | 眠っている |
休養を誘うアロマテラピー
入浴時にアロマテラピーを活用する沐浴や睡眠前に行う芳香浴はリラックスを誘う作用があります。休養・睡眠の為にアロマテラピーを活用するのもオススメです。
質の良い睡眠をとるために
心身を強要させ、疲労を回復するためには、長く眠るよりも「質」の良い睡眠をとることが大切です。
これは睡眠リズムが整い、身体や脳がきちんと休んでいる状態です。目覚めた時スッキリして「よく眠れた」という気持ちになれたら、質の良い睡眠です。
近年ではパソコン、スマートフォン、ゲームなどで目や脳を長時間働かせる夜型生活、精神的ストレスなど、様々なことが原因で、睡眠障害を引き起こすこともよくあります。
質の良い睡眠をとるためには、普段の生活や、睡眠の環境を見直していくことも大切です。例えば、就寝前は部屋を暗くしたりパソコンやテレビのスイッチをオフにすることでも、心身がリラックスして良い眠りに落ちやすい状態になります。
睡眠障害
睡眠に何らかの障害がある状態。夜に眠れない(不眠)だけでなく、昼間に眠くなる、夜中に目が覚めるなどの症状も含まれる。