腸ばかりか肌にも善玉菌が住む「肌フローラ」がある。善玉菌を増やす「乳酸菌ケア」で美肌をキープ。
肌フローラを育むヨーグルトパック
夏から秋にかけては、肌のダメージが特に心配される季節です。実は、腸内フローラ(腸内細菌叢)と同じように、肌の表面にも肌フローラと呼べる細菌叢が存在します。
そして、肌フローラにも善玉菌と悪玉菌が存在し、悪玉菌が優勢になれば、吹き出物やニキビが出来たり、肌のキメが乱れてシミ・シワやたるみが目だったりするなどの肌トラブルが発生します。
そこで、肌の乾燥を防ぎ、善玉菌を増やして肌フローラを整える美肌術として、是非おすすめたしたい方法があります。
それが、乳酸菌の優れた働きを利用した「乳酸菌ケア」です。中でも、ヨーグルトとココアと言った市販の身近な材料でできる「ココアヨーグルトパック」がおすすめです。
ココアヨーグルトパックは、AHA(フルーツ酸)を使った医療用ピーリング剤の代わりに、身近な材料で同じような効果を期待できるAHAの一種である乳酸が豊富なヨーグルトと、亜鉛が多いココアを利用したパックです。
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乳酸とココアの優れた美肌効果
乳酸菌が作り出す乳酸は、肌のターンオーバーの促進作用や保湿作用に優れている上に、肌を弱酸性に保つことで肌フローラを保護する働きがあります。
また、亜鉛は、昔から皮膚炎治療用の軟膏にも配合されるなど、肌の修復作用が認められていて、その含有量が特に多い食材がココアなのです。
ココアには、他にもカルシウム、マグネシウムなどのミネラル(無機栄養素)が豊富に含まれていて、新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)のアップに一役買います。
さらに、カカオポリフェノールには抗酸化作用があり、肌の老化の抑制を助けてくれると考えられます。
ココアヨーグルトパックは、シミやくすみ、ニキビ、肌荒れの改善や、肌にハリツヤを与える効果が期待できます。
乳酸は、私たちの汗にも含まれている生体内成分なので、肌に馴染みが良く、ヨーグルトには油脂に含まれているので、ココアヨーグルトパックは、低刺激で肌に優しいパックといえます。
ココアヨーグルトパックは、皮脂浮きしてニキビができやすい脂性肌寄りの人に向いています。
肌がむきたてのゆで卵みたいになる
脂性肌で汗をかきやすい夏の時期のTゾーンの皮脂浮きやテカリが気になった時などに、ココアヨーグルトパックが良いでしょう。
パックを流した後は、肌が剥きたてのゆで卵のようなつるっとした手触りになったり、くすみがとれて白く透明感が出たり、シュッと引き締まって張りが出たりと、様々な美肌効果が実感できます。
個人差はありますが、続ければ肌のキメが整って、皮脂が浮きにくくなり、シワも目立たなくなってくるでしょう。
ココアヨーグルトパックは、顔全体に塗っても、皮脂浮きのしやすいTゾーンやや、毛穴の黒ずみが気になる小鼻の周りなどに局所的に塗っても構いません。
5分間のパックを行いますが、その間、ラップを上からかぶせると、肌の馴染みが良くなってより効果的です。
ココアヨーグルトパックを行う時間帯は寝る前が最適です。肌が修復されるのは、夜寝ている間なので、その前に行えば、肌の修復が効率的に行われるからです。
バックを行った直後は、乳酸のピーリング効果により、肌が紫外線などの刺激に一時的に弱くなるので、パック後すぐの外出は避けた方がいいでしょう。
また、生理前や日焼けした直後など、肌トラブルが起こりやすいときにも、行わないようにしてください。
ココアヨーグルトパックを行う前には、腕の内側の柔らかい皮膚でパッチテストをし、かゆみや発疹、赤みなどが出ないかを確認してください。
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パックの後は十分に保湿する
おすすめなのは、夏の終わり頃に、ココアヨーグルトパックを行うことです。紫外線をたくさん浴びた肌は角質層が厚くなり、シミやくすみなどのトラブルが起こりやすくなります。
そこで、肌のターンオーバーや修復を促して、角質層を元の暑さに戻すために、ココアヨーグルトパックが役立ちます。ココアの香りにはリラックス効果もあるので試してみてください。
なお、医療機関で受けるピーリングは、2~3週間に一度ですが、ココアヨーグルトパックは、1週間~10日に1度程度行うのがいいでしょう。
肌の状態を見ながら、乾燥しない程度に行ってみて下さい。そして、パックの後は化粧水をいつもより多く使うなど、念入りに保湿をしましょう。
皮脂の落としすぎに注意する
乳酸菌ケアの他にも、健康な肌フローラを維持するために気を付けなければならないことがいくつかあります。
朝の洗顔は、夜につけた化粧品や、毛穴から分泌された皮脂が酸化したものを落とすのが目的です。
コツとしては、ぬるま湯でサッと洗ってから、界面活性剤をあまり含んでいないタイプの洗顔料で汚れを落とすようにしましょう。皮脂を落としすぎると、かえって皮脂の分泌を刺激してしまうので注意が必要です。
一方、夜の洗顔では、メイクや日中についた汚れや雑菌をきちんと落とすことが大切です。洗顔は丁寧に行いましょう。ただし、ゴシゴシこすってはいけません。肌フローラを乱してしまいます。
洗顔料をネットでよく泡立てて、肌に接する表面積を増やし、その泡を優しく転がすようにして洗いましょう。そうすれば、肌の刺激が少なく汚れもよく落ちます。
自分の内側から潤いをだそう
基礎化粧品は、肌のつけすぎに気をつけましょう。というのも、肌の潤いは、もともと肌の内側から出てくるものですし、肌の給水量はある程度決まっていて、それ以上つけると肌フローラのバランスを崩す場合もあります。
基礎化粧品の最後に保湿のためのクリームをつけますが、スキンケアは最低限にとどめることを心がけましょう。
わかりやすい表現をすれば、夏に海で日焼けをしたい人が肌にオイルを塗るでしょう。それと同じで、クリームなどの油分の多いものを肌に塗ってから紫外線を浴びると、日焼け、つまり酸化を起こして肌トラブルの原因になってしまうのです。
さらに、クリームの油脂は、毛穴との親和性が高いので、つけすぎると毛穴が詰まったり、油脂を好むアクネ菌が増殖してニキビができてしまったりするなど、いろいろなトラブルが起こる危険性があります。
たまにクリームを使う時には、少量を手のひらにとり、化粧水と混ぜ合わせて乳液状にし、それを手で押さえるようにして肌になじませます。手で肌の感触を確かめながらつけましょう。コットンを使うと肌を刺激してしまうのでおすすめしません。
保湿のための油分はなるべく自分の皮膚から出した方がいいので、ヨガなどの運動をして代謝のアップに努めましょう。
特に夏は、汗や皮膚の分泌が多く肌の内側から潤いやすいので、スキンケアは最低限にします。冬は、肌が乾燥しやすいので、化粧品による外側からの最低限の保湿が必要になります。
これからの季節の変わり目では、朝の洗顔前に肌がべたついていたらスキンケアを控えめにし、乾燥していれば夜のケアはしっかり行いましょう。自分の肌の状態に合わせて、臨機応変に肌フローラのケアをしてください。